眠れぬ羊と孤独な狼 -A Tale of Love, and Cutthroat-

基本情報

ブランドCLOCKUP
発売日2017-12-22
公式サイト URLhttp://clockup.net/yourou/
ブランドサイト URLhttp://clockup.net/
管理人お気に入り度B+好き。
管理人おすすめ度B興味があれば。
管理人プレイ時間13時間

こんな方におすすめ

  • ハードボイルドな世界観に浸りたい人
  • 死生観を扱った作品が好きな人
  • おじさんたちの熱い活躍が見たい人

こんな方は要注意

  • R-18 シーンは陵辱中心に楽しみたい人
  • 複数ヒロインを攻略したい人
  • 価格に対するシナリオの長さが気になる人

感想

殺し屋と殺人鬼が愛を育む約1ヶ月間をぎゅっと濃縮したお話。メインカップルの2人に焦点を当てた話でありながら他のキャラクターも少しずつ掘り下げがあり、どのキャラクターも興味深い。

殺し屋と主人公が2人だけの愛を育む話。言ってしまえばシンプルだが、そんなシンプルで短いお話にも奥行きを持たせる要素があった。

1つが、多くの人間が最も忌避する行為の1つである「人の命を奪うこと」に対する捉え方。殺人というトピック故に、登場人物に共感することは難しかった。しかし殺人以外のトピックでは、自分だって後ろめたい欲望を持って各登場人物たちのような感情を持つことはあるような気がする。そう思うと他人事とも言い切れなかった。「なぜ人を殺していけないのか」そんな疑問を持ったことがある人にはもっと刺さるかも。

もう1つは、ほとんどが悪人であるキャラクターたちが心の奥に持つ愛情。平気で他者を食い物にしたり傷つける行為に手を染める彼らだが、それでも特別に感じている相手はいる。作中で言われているところの「えこひいき」そのものだが、彼らなりに「えこひいき」と「人を殺すこと」を両立させる理屈を持っている部分が面白かった。

R-18 シーンはあざみとのイチャイチャが多め。ちょっと割合高すぎて食傷気味だったかも。 阿久津亮監督が携わった他の CLOCKUP 作品と比べれば、グロ要素メインのシーンは長さも数も抑えられている。ただ、それでもきつい。グロくない陵辱シーンも同じく数が抑えられているが、こちらは長さがしっかり確保されていた。

その手のシーンの中では、サンドバック張りに腹パンしまくるシーンが印象に残っている。私は以前から腹パン好きを自称していたが、それは「リョナが好きだけど血は苦手」だからであって、あそこまでやれとは言っていない……orz でも刺激的だったし、声優さんの演技はとても苦しそうで刺さりました。

あらすじ通りインモラルな話ではあるもののさほど露悪的な感じはなく、一部 R-18 シーンが惨いことを除けば意外と人に勧めやすい物語かもしれない。むしろこんな救いようのない悪人たちの心の中にもある愛情というものは良い意味で青臭く、いじらしくすら思える。

ラストの3択の選択肢は結末に直結するうえに主人公がどれを選んでもおかしくはない選択肢になっており、どの選択肢を選んだとき展開が好みか、どの展開が自然に感じるか、読み手によって割れそう。ちなみに私は一番下の選択肢を選んだときに”俺”からあざみへと語られる言葉(ネタバレのため白抜き)が、深い情を感じてとても好き。アウトローな2人に一般人の恋愛の物差しを当てるのは野暮だが、その言葉には年上男性らしい包容力があった。

投稿日: 2025-04-25

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