プトリカ 1st.cut:The Reason She Must Perish (全年齢)
基本情報
ブランド | トトメトリ |
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発売日 | 2024-10-07 |
公式サイト URL | https://totometori.rdy.jp/oc/1st_cut_jpn/ |
管理人お気に入り度 | B+(好き。) |
管理人おすすめ度 | B+(興味があればぜひとも。) |
管理人プレイ時間 | 6時間 |
こんな方におすすめ
- 「可愛いヒロインが悲劇的な目に遭う」というサークルコンセプトに惹かれた人
- 続編ものでも単品である程度オチがついていてほしい人
こんな方は要注意
- 大仰で芝居がかった文章・演技が苦手な人
感想
宝石の粒のような、小粒ながらきらりと光る良作。この作品にとって宝石がどういう存在なのかは今回あまり触れられていなかったものの、次回以降重要なキーワードになりそう。長めの回想やミスリードで感情を揺さぶってくるという、ルクル先生のシナリオの好きなところが存分に発揮されていて短編ながら満足度が高い。恋に身を焦がす女の子の強さと美しさと身勝手さは、やはり魅力的。
音楽は「可愛いヒロインが悲劇的な目に遭う」というサークルコンセプトに相応しく切なくて瑞々しいし、グラフィックも可愛らしく美しい(特にラストシーンのあるキャラクターの後ろ姿は、表情が見えないのに本当に切ない)。本作のクリエイター陣が今まで関わった他のゲームではやや弱かったシステム面も、鬱陶しくない程度に世界観を表現する一要素になっていて、隙がない。
シナリオはコンセプトに忠実でありながら可愛いキャラクターにニヤニヤできる場面もあり、プロットの面でもキャラクターの描写の面でも良い。 ラズリエルの人たらしっぷりもルビアちゃんの純粋さも大変に愛らしくて好きなのだが、一番可愛いのはレミかもしれない。初心すぎる。
恋に生きる……というか恋に死ぬ女の子の強さと美しさと身勝手さが魅力的なのはウグイスカグラ作品から変わらず、それでもその中に波紋を呼び起こしていたのが個人的には一番印象的。
以下、真相のネタバレあり。
イルサは何があってもリュシー様との愛を貫く、逞しくて一途な女の子だった。リュシーを理不尽に失ってもその愛は変わらなかったけど、それでもレミくんの優しさはちゃんとイルサの心に届いていた。届いていたどころか、イルサにとって決して受け入れられない、自分が自分でなくなるような心の動きをも呼び起こしかけていた。 肝心なことは言わずに消えたイルサの行動はレミを深く傷つけるものだったけど、イルサも、一人遺されたレミも、だからこそ魅力的。
ネタバレ終わり。
評価を B+ どまりにしている理由を挙げるとすれば、本作品単体では小粒であるが故に、感情のボルデージが上がりきらないまま終わってしまったから、程度。 このあたりは続編でさらに高めてくれるはずなので、心配いらないでしょう。
投稿日: 2025-04-25