PRIDE BLUE ~俺の愛した誇り高き令嬢は、父の支配の中で堕ちていく~
基本情報
| ブランド | LiLiM DARKNESS |
|---|---|
| 発売日 | 2026-01-30 |
| 公式サイト URL | https://s-digi.jp/lilim/02_soft/02_darkness/12_pb/index.html |
| ブランドサイト URL | https://s-digi.jp/lilim/lilim.html |
| 管理人お気に入り度 | B(刺さるまではいかずとも全体として楽しめた作品。) |
| 管理人おすすめ度 | B(興味を持っている人がいれば、背中を押したい作品。) |
| 管理人プレイ時間 | 5時間 |
こんな方におすすめ
- ヒロインの人格を暴いていくのに関心がある人
- ライトに楽しめる NTR ゲーを探している人
こんな方は要注意
- 堕ちる過程をじっくり楽しみたい人
- NTR らしい喪失感を味わいたい人
感想
一言でいうと、桜宮麗奈という少女の本性に迫る短編。陵辱+令嬢ものが好きなので期待していた本作。NTR としてはあっさりだが、キャラクターに着目したお話としては好き。記号的に描写されがちな設定を短編なりにうまく調理していると思う。
今回の感想は全編ネタバレ仕様です
プライドが高く素直になれない。
でも本当は主人公のことが好き。
見栄ばかり気にする父親に反目。
でも本当は愛に飢えている。
孤高の存在。
でも主人公とは少しだけ心の通った時間を過ごしている。
どれも美少女ゲームのヒロインでよく見かける“ギャップ”ではある。 王道ゆえに、記号的に書かれがちだ。 本作は、寝取られというシチュエーションを通して「なぜヒロインである麗奈は“そう”なのか?」に迫っている。 設定の調理が上手い短編という印象を持った。
ルートは NTR と独占の2つ。エンディングも2つ。 前作かつ同じ価格帯の『スターライトBLUE』からさらに減っている。 ただ、これ以上エンディングを増やすのは蛇足になると思われる。2つのエンディングに対して前作よりは多彩なプレイを用意してくれたのは良かった。 強いて言うなら、主人公と麗奈が結ばれてから寝取られるルートも見てみたいが、結ばれると麗奈の覚悟がキマってしまうので寝取れないだろう。
NTR ルートでは、主人公・優馬の父親である徳馬に本性を見抜かれた麗奈が、身も心も暴かれていく展開となる。
少し意外だったのが、徳馬が麗奈を堕とそうとする初期段階で、いきなりプライドをへし折ろうとしたり単純な権力乱用や暴力に走ることなく、「悪辣な息子に裏切られたかわいそうで善良なお父さん」の顔をして麗奈に近づいたこと。 NTR ゲーの間男としては珍しい方法ではないが、私がタイトルから連想していたのはいきなりプライドをへし折ろうとする、陵辱性を前面に押し出したシチュだった。そっちのほうが好きだし。 同情を誘ってヤるシチュエーションは、例えば前々作「MemoryBlue」の静那のような、母性本能が強く面倒見の良いヒロインにこそ似合うのだと思っていた。 ……のだが、2つのルートのシナリオを最後まで読んでみると、実は麗奈も意外と面倒見が良い女であることが分かる。最後までやった今は納得できるが、プレイ中はあまりピンときていなかったし、シチュエーション的には自分の好みから外れている。
無理矢理処女を奪うなど暴力性のあるシーンもあるにはあるのだが、あくまで「かわいそうなお父さんの男心に火をつけてしまった」という体で麗奈がその身を穢されていく。処女を奪った件は流石の麗奈も怒るが、結局言いくるめられる。
NTR ルートの最後の H シーンでは、徳馬に忠誠を誓った麗奈を犯しながら、徳馬が麗奈に彼女自身の本性について突きつける一幕がある。挿入の最中にもかかわらず説明っぽい台詞の連続で、実用上は好みが別れそうなシーン。 個人的には、“実用”をしないプレイスタイルなのと、徳馬の性格から言ってテンションが上がるとべらべら喋り出すのは「ありそう」と思ったので、許容範囲。
そのシーンで分かる麗奈の本性の一つに、周囲への見下しがある。 厳密には、金や地位に胡坐をかく者たちへの見下しだ。一代で財産を築いたものの、見栄ばかり気にして娘もろくに愛さない父親。親の金や地位で粋がって、自分では何一つできない同級生たち。 徳馬の言うように、周囲の多くの人間を見下していた麗奈が学校で孤立するのは、不運ではなく必然だったのだろう。 強いて言うなら、親が金に物を言わせてそんな学園に麗奈をねじ込んできたのが不運というべきか。
しかしその分、弱い立場の人間や、勇気をもって正しくあろうとする人間に対しては本来の優しさや包容力が発揮されるように思う。 NTR ルートの序盤~中盤あたりで徳馬を突き放しきれなかったのは、そういう理由からなのだろう。 この優しさや包容力に関しては徳馬は指摘していないが、仮に気付いていても指摘しないだろう。麗奈を堕とすのには必要のない指摘になるから。
結局麗奈はそのまま徳馬のものになるが、エピローグでも優馬は麗奈への想いを捨てきれないまま。 最後の徳馬のモノローグがおぞましい。それまでのHシーンでも滲んではいたが、徳馬が麗奈より優馬に執着しているという感想はここで確信になった。 また、麗奈のほうも徳馬の本性には気づいている、ということが分かるのも良い。徳馬が実のところ麗奈自身には興味を持っていないのを、麗奈も知っている。徳馬が麗奈に何の感情も持っていないからこそ、自分を曝け出せるのだという台詞はぞくぞくきた。 堕ちても聡明さを失わないことで、麗奈のヒロインとしての格も落ちない……とまで言ってしまうと過言だが、人として最後の一線を保ったまま堕ちている感じが好き。
独占ルートでは、優馬と麗奈が速攻で結ばれて徳馬を殺害することで、人生を歪められた人々を解放するルートとなる。長くはないが、ゲーム全体のプレイ時間の2割程度と、最近の Blue シリーズの独占ルートの中では長いほう。Hシーンも3回確保されている。
優馬の告白と告発宣言を受けた麗奈の返事が好き。
「あなたは気高い人。その告発で自分が何を失うか……全てわかった上で、正しいことをしようとしてる」「私は味方だから」
「世界中があなたを罵ったって、私はわかってる……あなたは正しいの」
その言葉通り、麗奈は徳馬殺害の罪も、その後の罪悪感も、一緒に背負ってくれる。 徳馬殺害を実行する前の麗奈の台詞があまりにもかっこいい。
「私のことまで殺そうとしたくせに被害者面しないで。私があんたに殺されるほどの、どんな罪を犯したっていうのよ」「……罪を犯すのはこれからだわ」
NTR ゲーのヒロインが言っていい台詞ではない。
麗奈の妊娠と、その後のボテ腹Hでの会話は、好きな人は好きだと思うが個人的にはちょっと納得がいかない。 優馬であれば、あの男の遺伝子を残して良いものか、麗奈と子作りする前に悩む期間を挟むのではないかな。 そんなにすぐに子どもを欲しがるようには思えない。 エロゲだからといってしまえばそこまでだ。自分も他のNTRゲーだったらスルーする。 ただ、今回はキャラクター造形が興味深い話だったのでちょっと気になってしまった。
また、独占ルートは優馬が徳馬の歪んだ愛に気付くという展開も興味深い。 優馬に裏切られた時に、これまでの飄々とした態度が嘘のように取り乱していた理由が分かる。 後継者を育てて、家を存続させることが彼のすべてであったのなら、高性能な(あえてこの言い回し)息子は最高の資産だったに違いない。
両ルートを踏まえて考えると、キャラクターの人格は興味深かったものの、肝心の寝取られとして見たときにはやはりあっさり感が強い。 序盤の元々の麗奈の人格の描写ならびに優馬と麗奈の関係性の描写は必要最低限の説明に留まっている。 逆に言えば必要最低限はきちんと描写しているのだが。 シーン数もさほど多くないので、特に完全に正気→堕ち始めあたりの心情変化がやや速いように感じる。
ただし、
・前々作の「エンディングのぶつ切り感」 ・前作の「シーンの実質的なバリエーションの少なさ(似たようなシーンの多さ)」
は改善されている。 エンディングまでしっかり描いているし、シーンの構図やバリエーションの被りは少ない。 (ちなみに、バリエーションがあるとはいってもあまり奇抜なプレイはなく、あくまで堅実な範囲でバリエーションを持たせている)
BGMは曲数が5曲しかないが、クオリティは安定している。「父の支配の中で堕ちていく」という曲が好き。「優しい人だと思ったのに。怖い。気持ち悪い。でも気持ちいい。」みたいなぐちゃぐちゃの心情のHシーンにぴったりな、物悲しい曲。
個人的には今までやった LiLiM DARNKNESS 作品の中でも Dearest Blue に次いで面白かった。 Dearest Blue とは、ライターも同じ、メインヒロインの CV も同じ、父親がキーパーソン(Dearest Blue はヒロインの父、今作は主人公の父)であることなど、共通点が多い。 正直、NTR ゲーとしての総合的な魅力は Dearest Blue に軍配が上がる。 しかし本作も Dearest Blue の単純な下位互換ではない。 ロープライスでキャラクターが少ない分、ヒロインや間男のキャラクター造形は本作のほうが興味深かった。
それでも物足りなさが否めないので、やはり LiLiM DARNKNESS にはフルプライス尺のゲームを作ってほしいと思う。 それか、ボーカル曲を3曲もつけるよりは他のところに予算なり時間を割いてほしいなと……。(今回のボーカル曲全部好きだけど) 高嶋沙樹先生シナリオのフルプライスの NTR ゲーがまたやりたい。
投稿日: 2026-02-27