抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?
基本情報
ブランド | Qruppo |
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発売日 | 2018-07-27 |
公式サイト URL | https://qruppo.com/products/nukitashi/ |
ブランドサイト URL | https://qruppo.com/ |
管理人お気に入り度 | A+(超大好き!!) |
管理人おすすめ度 | A(やってほしい。) |
管理人プレイ時間 | 53時間 |
こんな方におすすめ
- しょうもない下ネタが大好きで仕方ない人
- 燃えゲー好き
- マジョリティとマイノリティの対立構造に興味がある人
こんな方は要注意
- 下ネタよりもエロスを求めている人
- 設定を生かした "使える" シーンがほしい人
感想
覚悟はしていたが長かった。私がもともとプレイ時間をかける方だということもあり50時間以上もかかってしまった。 それでも、場面場面のテンポが良く最後まで飽きずにプレイできたのはさすがとしか言いようがない。少しでも下ネタを楽しめる人にはぜひ体験版からでもやってみてほしいゲーム。
プレイ時間詳細
- 共通ルート 6時間半
- ヒナミルート 10時間半
- 奈々瀬ルート 11時間半
- 美岬ルート 12時間
- グランドルート 13時間
- +α 1時間
総プレイ時間 53時間半 (平均プレイ時間は30時間ほどらしい?)
今だから言えるが、体験版をやった段階では本作に魅力を感じつつも同じくらいの不安があった。 なるほど、嵐のような下ネタギャグを含むキャラクターたちの掛け合いはなかなかに楽しいし、様々な理由で性行為を避ける主人公たちと "ドスケベ条例" を遵守させようとする SS や SHO とのバトルも熱い。評判の通り面白そうだ。 だが、下ネタギャグがくどいほど多すぎやしないだろうか? もともとそういうネタが嫌いではない私ではあったが、体験版が終わる頃には特にモブの学園生たちがハッスルしながら発する喘ぎ声混じりの下ネタに食傷気味になっていた。
しかしそれも製品版の個別ルートをやり始めた頃にはほとんど気にならなくなった。 個別ルートに入ると、シナリオの面白さがより多様になるからだ。
奈々瀬ルートでは、主人公・淳之介の過去や、その過去の出来事が今とどのように繋がっているのかが少しだけ判明する。淳之介が奈々瀬と二人一組で自らの過去やドスケベ条例に立ち向かう姿には、"バディもの" のような熱さを覚える (奈々瀬は女の子なので本来の意味のバディものとは少し違うが)。個人的に奈々瀬については本ルートよりも他のルートでの姿の方が印象に残っているが、それはまたの機会に語ることにする。
ヒナミルートでは、本作のタイトルからは想像できない辛い要素も含まれるが、それがまたヒナミというヒロインの優しさ懐の大きさを際立てる、感情を動かされる。本作は各ルートでメインヒロイン以外にも対になるサブヒロインが取り上げられるシナリオ構成となっているが、本ルートのサブヒロインの風紀委員長・礼先輩の活躍は必見である。自分の仲間を守るだけで精一杯だった淳之介が、敵側の人間にも目を向けるようになりさらに精一杯になってしまうのも印象的だった。
美岬ルートは一番本作らしい、開き直ったご都合主義で押し切るギャグ全体のルートである。私ももう「下ネタは食傷気味」なんて段階は通り過ぎてしまった。下ネタとか下ネタじゃないとか関係なしに、まず頭がおかしい。台詞にも出てきた「愛で道理を退ける」を地で行くシナリオにもはや感服してしまう。
グランドルートは、以上3ルートをいいところどりした上でさらに作品全体に1つの答えを示す。個別ルートと似たようなシナリオも少なからずあるが、そこはダイジェストで、新規部分に集中する。仲間も、敵だった人たちも、最後まで敵の人も、島の人も、今までに登場した全ての人たちとの交流の上でグランドヒロインの言葉を決定打として、淳之介は最後の答えを出す。本作サブタイトルは "Is the Island Utopia or Dystopia?" であるが、グランドルート後の青藍島は間違いなくユートピアだな、と思った (2をプレイして速攻で考え直したのだが、それはまた別のお話)。このルートの青藍島であれば、住んでもいいかもしれないなんて思ってしまう。どんな答えを出して、どんなユートピアができたのかは、ぜひ実際にプレイして確かめていただきたい。
このように、本作にはしっかり (?) 下ネタしながら多面的にユーザを楽しませようとしている努力が見える。そのため、私も製品版では連発される下ネタギャグを「たくさんある面白さのうち1つ」として楽しめるようになった。
個人的には、劇伴音楽もかなり気に入っている。特にピアノを使った曲が多いのは印象的だった。そのピアノの音も、シリアス、緊張、リラックス、コミカル、感動と場面によって次々に表情を変える。物語の中では強く主張はしすぎず、キャラクターへの感情移入をアシストしてくれる。それなのに、曲を単品で聴いても楽しめる。
マジョリティとマイノリティ、異なる価値観との敵対と共存、時には武力や暴力と、重くなりそうなテーマをいくつも抱えながらあくまで美少女たちとのお馬鹿ギャグコメディを第一に貫いてくれた本作は、払ったお金以上の楽しい時間をくれた。
投稿日: 2019-09-20