夏の終熄
基本情報
ブランド | CUBE |
---|---|
発売日 | 2022-08-26 |
公式サイト URL | http://www.cuffs.co.jp/products/endofsummer/ |
ブランドサイト URL | http://www.cuffs-cube.jp/ |
管理人お気に入り度 | B+(好き。) |
管理人おすすめ度 | A(やってほしい。) |
管理人プレイ時間 | 15時間 |
こんな方におすすめ
- 主人公にだけノリが良く明るくて積極的な典型的かずきふみヒロイン像(?)が好きな人
- もうちょっと頑張ってみようかな、と思いたい人
- ピアノの BGM が好きな人
こんな方は要注意
- 物語にカタルシスが欲しい人
- 選択肢を選ぶだけの攻略が面倒に感じる人
感想
田舎の夏ゲーとか既に色々あるし、なんとなく買ってはみたものの最初は若干冷めた目線で見ていた。しかしそこはさすがかずきふみ先生、設定が趣味じゃなくても面白い。彼らのように自給自足で生きていく覚悟とか、他人への強い不信感とかは自分にはないけど、日常のちょっとした困難に対して踏ん張って抗ってみようかという勇気をもらえるお話だった。先の見えない閉塞感に囚われた時代に生きる我々へのかずきふみ先生からのエールのなのだろうか。
作品に込められたメッセージ以外で特徴的に感じたのは、音楽とゲームとしての構成。
音楽は OP を除くとピアノ曲オンリー。とても潔い楽器構成だが、ピアノ一本でここまで色々な表情を見せられるものかと感心してしまった。 半分くらいの曲は公式サイトで視聴できるのでぜひ聴いてみてほしい。 単体での鑑賞にも耐えうる『物語』を感じる BGM が味わい深い一方で、曲数は OP 曲とそのバージョン違いを除くと7曲とロープラとしても少なめ。 人死に相当のシリアスな場面からそこまではいかないけどシリアスな場面まで同じ曲が流れていたりして、感情の繊細な大小が感じ取りづらいこともあった。
他のロープラゲーだと、BGM のクオリティが本作に劣っていたり曲が短めだったりしつつも曲数を増やしていたりするので、BGM が高品質なことに対する代償かとは思うが。
ゲームの構成は、選択肢を選ぶだけ、という(遊べるエロゲを除いた)エロゲの基本からは外れないものの、通常会話での選択肢以外に「どこに食料を調達しに行くか」というマップでの選択肢が存在する。 この選択肢は単なるミオとの距離の縮め方以上の重要な意味を持っていて、どんな食料を調達してきたかで後半の展開が大きく異なる。 後半の展開だけではなくその日の夕食のメニューもガラッと変わるので、エンディング以外にも彼らの食卓がどう彩られるを楽しみに選んでほしい。
全体的に「一流のクリエイター陣によって作られた、時代とプレイヤーに寄り添った丁寧なロープラエロゲ」といった印象だった。 シリアス寄りの話ではあるもののハイカロリーすぎないので、大作と大作の間の息抜きにやっても十分満足できるゲームだと思う。
投稿日: 2022-10-10