夏ノ鎖

基本情報

ブランドCLOCKUP
発売日2016-03-25
公式サイト URLhttp://clockup.net/natu/
ブランドサイト URLhttp://www.clockup.net/
管理人お気に入り度B好きかも。
管理人おすすめ度B+興味があればぜひとも。
管理人プレイ時間5時間

こんな方におすすめ

  • 監禁モノが大好きな人
  • 鬱屈した青春時代を送った大人
  • 暗く後ろめたい願望に身を焦がした経験がある人

こんな方は要注意

  • きつめの陵辱に耐性がない人
  • 人を傷つけたくない優しい人

感想

この作品を好きだと言うのは正直抵抗がある。しかし、この作品が「好き」か「嫌い」か、必ずどちらかで答えろと言われれば「好き」と答えざるを得ない。10代の頃の自分にやらせたくないエロゲ No.1。期待を裏切らない出来だったが、音量を下げても気になってしまう BGM の無駄な主張の強さだけが唯一の不満だった。

本作の主人公・晋二ほどこじらせた人間はなかなかいないだろうが、思春期のころに、自分よりも日々を楽しんでいるように見えるクラスの中心人物を内心見下してしまったり、異性に対して逆恨みじみた後ろめたい感情を持ったり、実行してしまえば他人を害することになる暗い妄想を滾らせたりという心当たりの全くない人間はどれぐらいいるだろう。

本作はそういう思春期の、特に思春期を日陰で過ごす者の鬱屈にぴったり嵌ってしまう恐れがある。 何かもが晋二の思い通りに行くエンディングなどないのだが、それも「そら見ろ」というおかしな安心感の材料にしかならない。

一方、1つのエンディングは晋二の計画が失敗に終わるものの途中まではおおむね計画通りに進行し、2つのエンディングは晋二の計画が一定の成功を収める。しかしその成功も彼の実力による部分は小さく、運と環境が味方してのことが大きい。通常、運・環境が味方して主人公の思い通りに物事が進む場面が多いと「ご都合主義」と呼ばれるような展開になるが、本作では運や環境に味方されないと成功しないというあたりにかえってリアリティを感じる。

短いながらもどのエンディングもそこに至る過程に納得できる必要十分な心理描写があり、最後まで興味を持ってプレイできた。

投稿日: 2021-11-20

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