夢幻廻廊1.5 ~連鎖~
基本情報
| ブランド | BLACK Cyc |
|---|---|
| 発売日 | 2009-09-27 |
| 公式サイト URL | http://www.cyc-soft.com/b-cyc/mugen1_5_info/ |
| ブランドサイト URL | http://www.cyc-soft.com/b-cyc/b-cyc-main.htm |
| 管理人お気に入り度 | B+(刺さるまではいかずとも全体として楽しめた作品(特に思い入れのあるもの)。) |
| 管理人おすすめ度 | C+(よほど刺さりそうな人がいれば勧めるかもしれない作品。) |
| 管理人プレイ時間 | 2時間 |
こんな方におすすめ
- お嬢様方からさらなる“いっぷ”を受けたい人
- お嬢様方からより過激な“いっぷ”を受けたい人
こんな方は要注意
- 本編の奥様との会話が好きだった人
- メイド2人のファン
感想
本編の“いっぷ”部分が好きな人のためのショートストーリー。特に絵と声優の演技に関して、本編の可愛らしさはそのままに魅力に磨きがかかっており、とても癒された。“いっぷ”の内容も本編より過激めで好みのものが多く、満足。衝撃の事実も奥さまとの対話もない一方、お嬢様からの“寵愛”を一身に浴びることができる。
内容はほぼ“いっぷ”のみ。 それぞれのお嬢様に1種類×3段階の“いっぷ”を受けることができる。 計12回の“いっぷ”を終えると、おまけ程度ではあるが4人のお嬢様全員とのシーンが1シーン挿入される。 奥様とのシーンは1回もないので注意。
全体的に、声優の演技が本編より生々しさを増していて、お嬢様ごとの“いっぷ”の世界観に入り込みやすい。 特に主人公たる“たろ”の声がいい。 痛みを与えられた時の悲鳴、殴られた時の声、噎せたときの咳き込み、どれも本当に苦しそう。 だからこそ、段階が進んでいくにつれて、苦痛よりも隷属の幸福が勝っていく様子が映える。
お嬢様ごとのシーンについても感想をまとめてみようと思う。
薫子お嬢様はより倒錯的に。その調教手腕もいかんなく奮っておられた。 小ではあるがスカ要素も完備。 地の文や台詞で同じ言葉や文を繰り返す表現が多用されているのも特徴。 最初はややくどく感じられたし、「くつしたおいしい」がウケたからか? と失礼ながら邪推してしまったりもしたが、最終的にはこれも薫子様の調教の成果と解釈した。 薫子様は“たろ”を立派な“かとる”とするため、思考を強制したり、そのために特定の言葉を発話させたり、習慣づけを行ったりといった手法を好む。 この手法に“たろ”が馴染んだから、“たろ”は頭の中や口で同じ言葉を繰り返すようになったのだろう。 本編よりも少ないたった3段階しかない中でも、調教が進んでいく過程を最も味わえるのはやはり薫子様の“いっぷ”。
麗華お嬢様は、より嗜虐的に。しかし同時に、“たろ”の人間性を認めている感じも本編以上に伝わってきた。 本編クリア済みのプレイヤーなら承知のこととは思うが、ここでいう人間性というのは人格や性格の世さのことではなく、「(モノや家畜ではなく)人間であるということ」そのものである。 最初は案外優しいプレイから始まり、ある意味変化球なのか? と思ったところで、過激さが入ってくる。 首絞めは個人的にも好きなプレイ。段階によってはただの首絞めではなく、ちょっとした変化球もあり嬉しいサプライズだった。
祐美子お嬢様は、より慈愛に満ちていた。もちろんその慈愛は人間ではなく、愛玩動物に注がれるそれである。 やはり最も“かとる”を“かとる”として愛してくださるのは祐美子様。結婚の面倒までみてくださるなんて。 徹底した愛玩動物扱いに対する、段階に応じた“たろ”の反応の変化が最も面白い“いっぷ”。 同じ台詞でも“たろ”の立ち絵の表情が変わったり、祐美子様の台詞の音声に対応するテキストが変わっていたり(「犬」→「仔」など)と、ビジュアルノベル形式ならではの演出も楽しめる。
奈菜香お嬢様は、より残虐に、可愛らしく。ただの残虐さではなく、無邪気な残虐性を発揮してくるところが恐ろしくも憎めない。声優の演技がよりロリロリしくなっているのも恐ろしさと憎めなさに一役買っている。まさに小さな暴君。 本作では唯一、ド直球に痛そうなシーンが繰り広げられる。 針を使ったプレイは生々しい痛みを想像してしまうので個人的には苦手……なのだが、奈菜香お嬢様がとても楽しそうにしておられるのと、“たろ”の迫真の悲鳴で好きなシーンとなった。 また、“たろ”の上っ面だけの誉め言葉が奈菜香様のさらなる残虐性の呼び水となってしまう場面も。奈菜香様は子ども扱いをひどく嫌うので、思い切り地雷を踏んでしまったようだ。本編と異なるライターながら、こういったキャラクターの解釈はぶれておらず、安心して読める。
全体的に本編のシーンと比べてやや過激めで刺激的なシーンが多く、ほぼ“いっぷ”ばかりの構成ながら退屈せずに読めた。 奈菜香様のところでも触れたが、本作のライターは本編のライターとは異なる。 本編とはちょっとした言い回しの違いなどは感じるものの、キャラクターの言動が解釈違いになるようなことは特になかった。 本編中のライター間の違いくらいに収まっていたと思う。
すべての“いっぷ”ならびにお嬢様たち全員とのシーンを終えると、ラストシーンへ。 ここの一枚絵が思わずデスクトップの設定したくなるくらい微笑ましく美しい。世界観を考えると微笑ましさの中にも不気味さを感じなくもないが、とにかく皆幸せそう。 ここでは2への布石と思われる意味深な会話とともに、イメージソングの Endless Corridor が流れる。 デンカレで一番好きな曲だったのでとてもテンションが上がった。 イントロ・Aメロの繰り返しのフレーズの閉塞感が素晴らしい。サビもメロディックで好き。 デンカレのサウンドが夢幻廻廊に合っているかと言われると合っていない気もするが、夢幻廻廊という作品や館の世界観ではなく、“たろ”の内面のイメージソングだと思えばかなり“あり”。 ちなみにこの場面はイメージソングに進行を合わせるためか、今時あまり見ない(気がする)強制オートモードとなる。
2に向けてのプレイは必須ではないが、お嬢様たちから追加の“いっぷ”を受けたい“たろ”達にはお勧め。 ショタ好きとしても満足のいく作品だった。
投稿日: 2025-11-22