ヘンタイ・プリズン

基本情報

ブランドQruppo
発売日2022-01-28
公式サイト URLhttps://qruppo.com/products/henpri/
ブランドサイト URLhttps://qruppo.com/
管理人お気に入り度B+好き。
管理人おすすめ度B+興味があればぜひとも。
管理人プレイ時間81時間

こんな方におすすめ

  • 燃えと笑いを求めている人
  • ギャグとシリアスの落差を楽しみたい人

こんな方は要注意

  • 主人公が痛めつけられる展開が苦手な人
  • 主人公に感情移入して楽しみたい人

感想

前作「ぬきたし」から一転、シリアスな雰囲気でありながら「燃え」「一貫したテーマ性」そして「しょうもない下ネタ」という Qruppo らしさは失われていない不思議な作品。個別ルートでは各ヒロインの問題解決に注力して主人公の精神的な問題についてはヒロインとの関係を築く中で徐々に緩和する程度に留め、グランドルートでは全ヒロインの問題を解決しつつ主人公の内面にフォーカスを当てる。最後まで推進力を残しつつすべてのルートが単体でもエンターテイメントとして成り立つ構成は流石。個別ルートで解決した問題をグランドルートで全部解決していくこと自体は賛否あるだろう。しかし本作のグランドルートでは全員で全員の問題を解決していく方針になっていて、個別ルートとはまた違った方法で各々の問題を解決していく。そのおかげで、長い長いグランドルートもあまり中だるみを感じずに進められた。ボーガー的にはボーグネタが多くてたくさん笑った。続きに書いたのはごく個人的な、ちょっとしたもやもや。

前作「ぬきたし」のテーマが(主に性的な意味での)マイノリティの立場についてだとすれば、今回のテーマは不健全とされる題材で創作をすることについてだろう。 不満というほど不満ではないのだが、これについてはグランドルート中盤以降の舌戦に入りきれなかった。 極端という意味では前作主人公の淳之介くんも柊一郎くんとあまり変わらない。 だが、極端な考え方を持つ主人公の見せ方として前作のほうがプレイヤーに易しかったとは思う。 前作は極端(青藍島)VS極端(防人老人)の間にこれまた別の意味で極端な主人公が入ってきて、それがうまく作用して最後には両者の間に良い落としどころを見つけていく、という物語だった。 しかし今回は両者極端すぎる上に第三勢力の存在なども特になく、極端な人たちが意見をぶつけ合って強い人が勝ち、みたいな話に見えなくもなかった。

これは私が入り込みきれなかったというだけで、悪いとは思わない。 あの柊一郎くんが中庸の立場を取ったり、途中で水城所長の考え方に歩み寄ったりしたらそれはそれで違うと思う。 そうなると、グランドルートの成長展開の基になる彼の精神的な異常性も際立たなかっただろうし。 なので、多少のもやもやはありつつも「不満というほど不満ではない」という感情になった。

一番の不満は夕顔看守長の眼鏡に射精するシーンがなかったことである。 夕顔看守長が眼鏡を掛けている立ち絵を見た瞬間から「あったらいいなあ~」と思っていた。 その立ち絵がアフターストーリーで使いまわされ、しかもその時の眼鏡は夕顔看守長の私物ではなく「女教師顔射イメージプレイ用」とわざわざ台詞で説明される。 これで期待するなというほうがおかしい。 夕顔看守長のシーンはあるにはあるのだが、実際にはシーンに入ると眼鏡を外してしまうし、パイズリの後、勢い余って精子が顔まで飛び散る一枚絵があっても当然そのときも眼鏡をしていない。 さすがの私も眼鏡を掛けたキャラ全員に顔射シーンを実装しろとは言わないけど、夕顔看守長みたいなプライドの高いキャラクターの眼鏡に射精するシーンはぜひ入れるべき。

「せっかく眼鏡かけてるのに顔射しないの? そんなの委員長キャラなのにアナルセックスしないのと同じじゃん!」(ぬきたし2より)である。

なんだか不満たらたらっぽくなってしまったが、前作と方向性のまるで違う作品を高い水準で、しかも前作の良さを損なわないまま作り上げた手腕は流石すぎる。 特にキャラクターの人間性の作りこみとギャグの面白さは明らかにパワーアップしていた。

次回作がいつになるのかまだ分からないが、次はどんな下ネタ空間を見せてもらえるのか楽しみ。

投稿日: 2022-05-28

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