EXTRAVAGANZA ~蟲愛でる少女~

基本情報

ブランドBLACK Cyc
発売日2006-10-27
公式サイト URLhttp://www.cyc-soft.com/b-cyc-pro/extra/extra_form.htm
ブランドサイト URLhttp://www.cyc-soft.com/
管理人お気に入り度B+刺さるまではいかずとも全体として楽しめた作品(特に思い入れのあるもの)。
管理人おすすめ度B興味を持っている人がいれば、背中を押したい作品。
管理人プレイ時間43時間

こんな方におすすめ

  • ハードめの触手エロを好む人
  • 親子愛という普遍的なテーマの変化球を読んでみたい人
  • 攻略しがいのある ADV を探している人

こんな方は要注意

  • 男性キャラとの和姦シーンが好きな人
  • 抜くことに集中したい人(攻略が結構大変なので)

感想

伝説の蟲と、母親となるにはあまりに年若い少女という、あまりに変わった親子(親蟲)が紡ぐ絆の物語。親と子の信頼関係は初めからそこにあるものではなく、自分たちで作っていかないといけないもの。それは平坦な道ではないけれど、前向きに頑張っていきましょうよ、という励ましを、この一見えぐいゲームから感じた。R-18シーンはイメージ通りえぐいシーンが多かったが、ソフトからハードまで、蟲相手、多人数、女の子同士などシーンの雰囲気にも幅があったのが意外だった。

「親子関係」そして「何があっても前向きに生きること」というのは、いずれも押しつけがましくなりがちなテーマだと思う。
しかし本作は、蟲や蟲使いという存在を通してテーマごとある種のデフォルメがなされており、説教臭さを感じず楽しく読み進めることができた。
テーマはあるけどそこに引っ張られすぎず、過激なR-18シーンを魅せることやゲームとしての楽しさのほうをより重きを置いている点も好感が持てる。

本作の主人公の夢美は、最初の章、まだ幼い少女の時代に蟲使いの男に攫われ、伝説の蟲を孕み、出産することになる。
この時生まれた蟲クンは人間どころか異形の生物だし、当然だが夢美が望んで産んだ子(蟲)ではない。
しかしこの後、夢美は何年もかけて蟲クンと絆を育み、「私はあんたのお母さんなんだから」と胸を張って言えるまでになる。

もちろん、そこに至るまでには一山もふた山もある。
だが、たとえ人間同士の親子だって、親に心から望まれて生まれてきた子だって、紆余曲折あることに変わりはない。程度に差があることは否定できないが、どんな親子関係だろうと、その親子なりの試練があるのだろう。
子どもが生まれた瞬間に一人前の親になれるわけではない。初めは意思疎通すらままならない。信頼関係も自分たちでゼロから築いていくしかない。
夢美たち親子の場合は、それが極端な形で表れている。
それでも、だからこそ、前向きにやっていこうという本作からの励ましのようなものは、素直に受け取ることができた。
ゆえに、どんなにえぐい R-18 シーンがあっても、どれだけ惨劇が繰り広げられるバッドエンドがあっても、読後感は爽やかだ。

本作の物語の核は、夢美たち親子の関係に他ならない。そのため、他にトピックについては描写量を抑制しているように感じた。
たとえば

  • 蟲使いそのものの設定開示
  • 美弥香と唯の過去(なぜ同年代の少女を護衛にしたのか? など)の描写
  • Dr. West やユーリアの過去の描写

などは必要最低限しかない(リメイク前の「蟲使い」や関連作品での描写は未確認)。
Dr. West とユーリアに関しては描きすぎない美しさがあったのでこれはこれで好き。
ただ、蟲使いの設定はもう少し明かしてもらったほうが、蟲使いに関係する親子関係も感情的に飲み込みやすかっただろうし、バトルもより燃えた気がする。
例外として、親子関係(またはそれに類する関係)については、夢美と蟲クン以外の親子についてもある程度分量を割いて描写されている。先述の「どんな親子にもその親子なりの試練はあるが、乗り越えていける」というメッセージを、効果的に補強していたと思う。

物語の核は親子関係であったが、この作品の本当の核はやはり蟲の設定を生かした R-18 シーンだろう。
拘束や愛撫はもちろん、疑似ふたなり、媚薬の滲出、臓器の破壊などなど、とにかく蟲の使い方が幅広い。

ハードな触手ゲーではたまにあるシーンのようだが、肛門から触手を入れて消化器を貫通させ、口から出す拷問のシーンが個人的に大変気に入った。
元々、この手の『身体の内側から責めるシチュエーション』は好みだし、本作のシーンでは、声優さんの演技が本当に苦しそうなのが良い。
少なくとも唯とユーリアにはこのシチュエーションがあったはず。
本当に刺さったので、一番好きなヒロインである美弥香でもやってもらえたらもっと嬉しかった。
清楚で気高いお嬢様こそ、体の内側から責められて汚い声と汚物が出てしまうシーンが映えるはず。

他にもえぐいことをやっていたシーンがたくさんあった。

ちなみに、「えぐかった」ではなく「えぐいことをやっていた」とやや距離のある感想なのは、悲壮感や絶望、痛みの描写があまり甚だしくなかったことに由来する。
女キャラ視点の陵辱シーンでそれらの描写をどの程度増やすかはかなり好みによるところだとは思うが、個人的にはそういった『辛さ』は台詞でも地の文でも明示的に表現されているほうが好み。
ただ、「何がどうなったのかを地の文で表現し、感情や痛みは悲鳴や声の質で表現する」というこのゲームでの表現方法も、ADV ゲームらしさがあって悪くない。

ちなみに、合意の上で男性キャラと性的関係に至る展開もあるにはあるのだが、一枚絵すらなく一言で片づけられていた。このゲームはあくまで和姦ゲーではなく陵辱ゲーだということだろう。当該男性キャラに容赦がない。笑

システム面はやや独特で、攻略の楽しさと便利さ、コンプ狙い時の煩わしさが共存していた。 場面スロットが細かく分かれており、他の ADV のように選択肢を選んでいく代わりに、複数のスロットから次の場面を選んでいくことで攻略していくのが特徴。これには、展開を選んでいくワクワク感があったり、別のエンディングを狙うときの試行錯誤がしやすくなったりという利点があった。
ただ、コンプリートを狙った場合のスキップ時には、この利点が煩わしさに反転してしまった。
既読の場面をスキップ→スロットを選ぶ→スキップ→スロットを選ぶ→スキップ→……と、既に読んだ場面をスキップするために何度も操作をする必要が出てしまう。一応「過去のスロットを選択すると、最後にそのスロットを選んだときの経路にチャートが丸ごと戻る」等の便利機能はあるのだが、それでも面倒。
また、スロットが細かく分れていることで「やめどき」「キリのいいところ」がたくさんあるのは忙しい時期にはありがたいのだが、ADV ゲームの没入感はやや犠牲になっている。

全体構成としては、作中期間が10年以上と長大さに反して、描写の密度より展開の幅で勝負している印象を受けた。ルートによって夢美の立ち位置や展開、目的が大きく変わるので、別ルートに行くたびに新鮮な気持ちでプレイできる。反面、最近の「少数ルート・ルート長め」の作品に慣れた令和のエロゲーマーとしては、一つ一つのルートの展開がやや淡白にも感じた。

そういったある種の物足りなさも否定できないとはいえ、テーマ性、適度な壮大さ、そして何より過激なエログロという「全部取り」ができる、一粒でいくつもおいしい作品であることに変わりはない。
ハードな作風とお話の面白さの両方を求めるプレイヤーは、令和でも――いや、令和にこそ少なくないはず。
やや古めの作品ではあるが、そういった自分と似た嗜好のプレイヤーには、今からでもぜひ手に取ってみてもらいたい。

投稿日: 2026-04-14

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