クリミナルボーダー life sentence
基本情報
ブランド | Purple software |
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発売日 | 2024-05-31 |
公式サイト URL | https://www.purplesoftware.jp/products/criminalborder/ls.html |
ブランドサイト URL | https://www.purplesoftware.jp/products/criminalborder/ |
管理人お気に入り度 | B(好きかも。) |
管理人おすすめ度 | B(興味があれば。) |
管理人プレイ時間 | 7時間 |
こんな方におすすめ
- 前作の続きが気になった人
- 成り上がり系のストーリーが好きな人
- サブキャラ・男性キャラ含めて魅力的な作品がやりたい人
こんな方は要注意
- 特定のヒロインと恋仲になる過程・なった後を楽しみたい人
- ヤクザ、マフィア等の舞台装置に合ったハードボイルドな物語を楽しみたい人
感想
絶望的な 3rd offence からなんとか導き出せる最大限のハッピーエンドという感じ。物語はきちんと畳まれたと思うし、特に後半は目まぐるしい展開で、十分楽しませてはもらった。しかしリアルタイムで追っていたファンとしては、期待を大きく超えてくれるのではという期待をしてしまっていた、というのが正直なところ。主人公と辰也の目的を達成させること、あまり不自然な展開にならないこと、凛をヒロインに据えるということ、といった諸々の条件の両立に製作スタッフたちが苦労した跡が見えた気がする。
主人公たちが裏社会で力を入れていく、いうなれば「縦の広がり」よりも、考えが異なる味方間での心理戦やキャラクター間の関係性の掘り下げといった「横の広がり」に富んだ話であったことが、1st~3rd offence の流れからすると少し意外だった。 そのため自然ゆえに意外性のない終わりではあったが、キャラクターの魅力という面ではきちんと描けていたと思う。 特に、作品を通して成長したキャラクターの姿は感慨深い。琴子は本当に良い顔(悪い顔)をするようになった。彼女の理想とする姿は以前と同じ綺麗なままだが、そのために手を汚す覚悟があるだけでこんなにも違うものなのかと思った。 作品内で人格が大きく変化したわけではないが、これまでの描写の積み重ねがプレイヤーからの信頼に繋がっていたという意味では辰也にもぐっと来た。
変化したといえば凛が表舞台に出る覚悟を決めたのも大きな変化ではあったのだが、彼女をヒロインにして R-18 シーンも入れるという制約と今回の話の目的にあまりシナジーを感じなかったのが少し残念。ただ、凛とひなが仲良くなったきっかけは独特でこの2人ならではだし、信頼し合っているが恋愛関係にはならないし体の相性もさして良いわけではないという凛と主人公の関係も他の作品ではあまり見られない珍しいものだったので、いっそ彼女を「攻略できないことを惜しまれるサブヒロイン」に……とも言えないのがにくいところ。薬漬けのシーンもやらしかったしね。 今回ヒロインだったからといって、「凛を攻略できた」と言っていいのかは疑問ではあるが。だがそこがいい。
あとは改めて思ったのは、かずきふみ先生とは悪役観があまり合わないなというところ。 先生の作品はいつも悪役を徹底的に魅力のない、偉ぶっているが小物な人物として描写している。 個人的には、今回のような復讐ものの悪役は相手にとって不足なしな人物であってほしい。例えば「ハロー・レディ!」の黒船のような。NTR と所謂「ざまぁ」系以外では、小物な悪役はあまりピンとこないなあ。NTR は「こんな男に寝取られるなんて……!」が本質になりうるけど、復讐ものは「こんな奴に……」が本質になるとはあまり思えないので。 少し話がそれてしまったが、その悪役観を毎回ぶれずにしっかり描写しているのは認めるべき点だ。
前作まででイメージしていたものとは違っていたが、主要キャラクターの成長と魅力を発揮してきっちりまとめた作品だったと思う。同じライターの別の分割作品よりも発売ペースが早く、半年に1回続編がプレイできたのも地味に嬉しかった。 こういうインモラルでわくわくする物語をこれからも読みたい。
投稿日: 2024-07-30