景の海のアペイリア

基本情報

ブランドシルキーズプラス DOLCE
発売日2017-07-28
公式サイト URLhttp://www.silkysplus.jp/game/apeiriafd/index.html
ブランドサイト URLhttp://www.silkysplus.jp/
管理人お気に入り度A大好き!
管理人おすすめ度B+興味があればぜひとも。
管理人プレイ時間40時間

こんな方におすすめ

  • 本格的な SF のエロゲをやりたい人
  • 頭脳戦が好きな人
  • 他に主題があるシナリオ重視のゲームでも恋愛描写は大事にしたい人

こんな方は要注意

  • BGM 重視派
  • せっかちな (話にエンジンがかかるまで読み進めるのが辛い) 人

感想

笑えて知的好奇心も刺激される近代エロゲ的 SF アドベンチャー。量子力学と情報科学を中心に、幅広い分野の話が登場し非常に興味深く読めた。その分話が入り組んでいて非常に複雑だったが、図解等でできるだけ分かりやすくしようという試みはなされていてなんとかついてこられた (ただそれでもやっぱり難しい)。そもそも話の前提の部分からして単純ではないので、話にエンジンがかかり始めるのもやや遅め。ましろとシンカーがお気に入り。

ただそれでもやっぱり難しく、文章は全て飛ばさずに読んだものの一度読んだだけでは理解しきれなかった部分もいくつかある。登場人物の難解なセリフを自分の足りない頭で頑張って理解したかと思えば数時間後にはそれが真っ赤な嘘だったことがわかる、なんてことも一度や二度ではなく、若干の徒労感もあった。 そもそも話の前提の部分からして単純ではないので、話にエンジンがかかり始めるのもやや遅め。序盤はテンポ良く進み、冗長にはなっていないのだが、SF 部分に期待している人にとっては「これいつ面白くなるんだろう」と思ってしまう可能性はある。この辺りで投げ出しそうになっても OP 部分まではやってみてほしい。

この手の (SFやミステリなど、学園以外のジャンルの部分を重要視したシナリオの) 作品にしては、ヒロインの可愛らしさの描写や H シーンに力が入っていたのはいい意味で意外だった。例えば、バックグラウンドボイスが汎用的な喘ぎ声のループになっているのではなく、ちゃんと喋っている作品に出会ったのは自分の中では初めてだった。久遠とましろの W フェラのシーンでましろに舐めてもらっているときに、久遠がバックグラウンドボイスで「ましろさんには優しくするんだ……」と呟くところがグッときた。一枚絵のクオリティのばらつきが大きかったのだけちょっと残念。竜の背中に乗るましろと零一の一枚絵なんかがすごく綺麗だと思ったのだが……。

劇伴は他のシルプラ作品と同じ人が作っているはずだが、バトル時の曲は他のシルプラ作品よりもややチープに感じなくもない。シンセリード系の音の音源があまりよろしくないか、電子音を中心としたテンポ早めの曲があまり得意ではない方なのだろうか? ただ、BGM の「思考」は好きかも。同じくシルプラのバタフライシーカーの「ムシクイ出動」に似た雰囲気がある。

色々と書いてしまったが、ましろの存在だけで元が取れる。いつもおどおどしていて自分に自信がない彼女だが、彼女が笑っているだけでこっちまで幸せな気持ちになって涙が出そうになる。零一がましろに惚れた場面と自分がましろに惚れた場面、そのときに感じたことが完全に一致していてとても感情移入した。 ましろ以外のキャラクターだと、シンカーが好き。よく喋る賢い敵キャラは好きだ。たびたび行われる零一との駆け引きは必見。

投稿日: 2020-09-20

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